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★うるう秒(Leap Second)って?

「うるう年」は皆が知っている、然し「うるう秒」は余り知られていない。
実は1972年以降過去40年間で24回、地球の自転の遅れに関連して世界時との差が0.9秒以内になるように、標準時刻を1回に付き1秒遅らす処置が施されて来ているのである。
2012
111日、この「うるう秒」に関する記事を朝日新聞が掲載していた。
以下にその記事を引用し一部解説を加えた。



「うるう秒」廃止? 地球の自転に合わせ時計に足す1秒(朝日新聞)



LeapSecond1.jpg
日本標準時を管理する情報通信研究機構のデジタル時計に、
うるう秒の「60秒」が挿入された瞬間=2009年1月1日午前8時59分60秒
*1
東京都小金井市(同機構提供)




LeapSecond2.jpg 


 ジュネーブで16日から開かれる国際会議で「うるう秒」の廃止が決まるかもしれない。極めて正確な原子時計*2で定義される時刻と、少しずつ遅くなる地球の自転で決まる時刻*3との帳尻を合わせるため、数年に一度、挿入される「1秒」。廃止されれば時刻が生活感とずれてくる可能性があるが、情報化に伴うリスクを理由に、廃止派が存続派を上回る勢いだ。

 時刻は太陽の動きに合うように、地球の自転*4に基づいて決められてきた。しかし、潮の干満の影響で自転にブレーキがかかっており、原子時計の時刻(原子時)とのズレが問題になった。そこで、1972年1月1日、「うるう秒」が導入された。

 一方で廃止論も強まってきた。背景はコンピューターの普及。うるう秒は日本時間では1月1日か7月1日の午前8時59分59秒の後に、普段使わない「60秒」として挿入されるが、そのための作業でコンピューター内部の時計が誤作動する恐れがあるからだ。誤作動は株の売買や、電子認証などのトラブルにつながる。

 うるう秒の実施は、自転を調べる天体観測の結果を基に国際機関が各国に知らせる。3年半ぶりに今年7月1日に挿入するとの通知は、年明けにあった。毎年あるとは限らないから、自動化もできない。

 国連の機関、国際電気通信連合(ITU)は、16~20日の総会で廃止提案を採決する。ITUの下部組織の意向調査では、廃止賛成は日米など13カ国で反対は3カ国だった。

「たかが1秒」だが、積もれば自転で決まる時刻とのズレは無視できなくなる。過去40年、うるう秒を入れなかったとすると34秒。日本標準時を決める情報通信研究機構の細川瑞彦経営企画部長によると、600~700年後に30分~1時間ほどになり、遠い将来、「真っ暗なのに時刻は正午」みたいなことがあり得る。

 
 反対派は①天体観測などで不都合が生じる②うるう秒挿入のリスクよりズレに伴う混乱のリスクのほうが大きい、と主張する。かつて世界の時刻の基準とされていた「グリニッジ天文台」を持つ英国は、一貫してこの立場だ。総務省は「廃止派が優勢とみられるが、結論はまだわからない」としている。(吉田晋)


-
解説-

*1 協定世界時UTC)では20081231日午後125960秒。
協定世界時UTC - Universal Time, Coordinated)とはセシウム原子時計が刻む国際原子時TAI)をもとに、天文学的に決められる世界時UT1)との差が0.9秒未満となるよう国際協定により人工的に維持されている世界共通の標準時である。具体的には、世界時との差が0.9秒以内になるように閏秒を挿入して維持している。世界各地の標準時はこれを基準として決めている。例えば、日本標準時JST)は協定世界時より9時間進んでおり、「+0900JST)」のように表示する。(Wiki

*2 国際原子時TAIフランス語: Temps Atomique International, 英語: International Atomic Time, IAT)は、原子時計によって定義される非常に高精度で安定した時刻系である。地球表面(ジオイド面)上の座標時の実現と位置付けられる。
TAI
は世界50ヵ国以上に設置されている約300個の原子時計(セシウム原子時計を数多く含む)によって維持されている時刻の加重平均である。(Wiki

*3 世界時(UTUniversal Time)とは、地球自転に基づいて決められる世界共通の時刻系である。世界時はグリニッジ標準時GMT)、すなわちイギリスグリニッジを通る経度0度の子午線上での平均太陽時を現代的な定義を用いて継承したものである。GMTという略語が誤って協定世界時UTC)の同義語として使われることがある。かつて使われたGMTは現在は実質的にUTCUT1に分離されている。(Wiki

*4 地球の自転速度
赤道1700km/h
・緯度θ°1700cosθkm/h 地球が一回自転するのにかかる時間は約23時間564.06秒となっている。さらに、地球の構造上中心部が液体であること、潮の干満と海底との摩擦により自転速度はだんだん遅くなっている。1年で10万分の1秒ずつ遅くなっており、月の公転周期と同期するところまで遅くなって安定すると考えられる。(Wiki
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