✭グローバル化の進展がナショナリズムを刺激する
朝日新聞8月15日付の社説は歴史論争に関し:
『・・・こと歴史や領土問題となると、とたんにいがみ合う。それを加速させているのがグローバル化の進展である。
人や金が国境を越えて行き交う時代には、競争の激化や格差の拡大を前に、一国単位の政治は限界がある。手詰まりになった政治家達が、人々の不満の矛先を「外」に向けさせようとする。
国境を低くするはずのグローバル化の進展が、ナショナリズムを刺激する逆説である。・・・』と論じ、
『東西冷戦下、朝鮮半島は分断され、中国は敵対する共産主義陣営に居た。日本は対米関係を優先し、植民地支配や侵略戦争の過去を直視する事を後回しにしていた。
冷戦の終わりは、この歴史問題を浮上させた。韓国では民主化が進み、共産党独裁下の中国でも、人々が物言う言論空間が広がった。
更に経済発展による自信が、国家意識を後押しする。戦争から遠のくほど、直接経験の無い世代にとって歴史は自国に心地よい「物語」に変容しやすい。時代が下がるほど、和解は困難になる面もある。・・・
大事な事は、基本的な事実認識を共有しながら、相互理解を深める事である。今日はもはや一国単独の歴史を書く事は不可能だ。他国との関係の中で始めて自分の国の姿が見えてくる。
歴史認識を近づける事は容易ではない。長く厳しい道のりを覚悟せねばならない。
それでも、未来をともに築こうとする者達は、過去にも共同で向かい合わねばならないのである。』と結んでいる。
‐朝日新聞8月15日付の社説‐
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